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Fig.7

Time series acoustic profile record by the acoustic observation system for halociline behaviour at the margin of Lake Nakaumi(observation area I). Transducer T-1.

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Fig.8

Time series acoustic profile record at the margin of Lake Nakaumi (observation area ?). Transducer T-3. May 10-11, 1995.
塩分躍層動態観測システムによる観測結果から、通常塩分躍層が現れていない水深の浅い湖岸付近では、主に強風(観測域付近では西風)が吹いた後、湖水下層の塩水塊が湖岸に到来することがわかった。
(2)中海湖心付近(観測水域?)での観測
中海の湖心に設置された建設省中海湖心観測所を中心に、音響送受波器3台(T−1,2,3)および光ファイバケーブルを設置した。Fig.10にそれらの設置図を示す。光ファイバケーブルの敷設にあたっては、あらかじめ、ロープ、重りおよびうき(ポリ瓶)からなる位置マーカ(♯2〜14)をリアルタイムDGPS測位で設置し、その後光ファイバを敷設した。光ファイバの湖底部分の全長は約1400mである。そのほか、流向流速計および小型サーミスタ水温計を湖底に設置した。
Fig.11に強風時の音響プロファイルの一例を示す4)。塩分躍層を形成する反射面は風の強弱によりヒトに変動している。記録中のノイズ(散乱層)は波浪が水中に伝搬することにより生じている。9月15口の平均風速は5.3m/sであるが、9月16日23時には最大15.7m/sとなって、それと共に反射面も下降し湖底に達したものとみられる。すなわち下部高塩分層が湖心付近から移動し、上層の低塩分層が直接湖底まで達した結果であるといえる。
光ファイバ温度センサによる湖底水温分布観測では、観測期間中、湖岸での観測に比べ終始分布温度の変化は少なかったが、9月16〜17日の強風により一旦移動した温度の高い高塩分層が湖心部へ戻ってくる際、明瞭な水温分布変化が観測できた。

 

 

 

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